シャンプーやトリートメントなどのヘアケア用品に含まれる『シリコン』。髪に悪そうなイメージもありますが、実際はどうなのでしょうか?
今回は、そんなシリコンについて詳しく解説。そもそもシリコンってなに?という方をはじめ、自分の髪にシリコンが合っているか不安な方はぜひ参考にしてみて下さい。
シリコン=悪者はウソ...?
10年ほど前から「シリコンは髪や肌に悪い」「ノンシリコンシャンプーは髪に良い」なんて声が良く聞かれるようになりましたよね。中には「シリコンは抜け毛や頭皮の皮脂分泌の原因になる」と考えている方もいるかもしれません。
しかし現在のところ、これらに科学的な証拠はありません!
実際にシリコン(正しくはシリコーンオイル)とは、ケイ素という有機ケイ素化合物で、土にも含まれている物質から作られたもの。この物質は化学的にも安定していて酸化しにくいのが特徴です。
さらに安全性も保証されているため、日用品はもちろんのこと、調理器具や医療用器具など、私たちの日常のさまざまな場面で活躍しているんですよ。
ヘアケア製品におけるシリコンの役割
では’’シリコン=悪者ではない’’という事実がわかったところで、次はヘアケア用品におけるシリコンの役割を簡単にチェックしていきましょう。
①キューティクルを整える
シリコンには、ヘアカラーやパーマによるキューティクルの乱れを整える役割があります。そのため、シリコン配合のシャンプーを使うとしっとりと柔らかな毛髪に仕上がるのが特徴です。一方で、ノンシリコンシャンプーはさっぱりと軽やかな仕上がりが叶います。
②髪の指通りを良くする
実は髪を洗う最中にきしみが気にならないのは、シャンプーにシリコンが配合されているおかげ。シリコンの働きによりすすぎの際にも毛髪一本一本が指通り滑らかになるため、摩擦が減るのも嬉しいポイントです。
シリコンが配合されたシャンプーなら、絡まりやすいロングヘアはもちろんのこと、ダメージが気になる毛先もまとまりやすくなるでしょう。
③ダメージの進行を予防
最後に、シリコンには髪を保湿したり保水力を高めたりして、ダメージの進行を予防する効果もあるんです。シリコンの種類によっては髪に光沢感やツヤを与えてくれるものもあるため、髪のパサつきを落ち着けたい人にもおすすめの成分なんですよ。
シリコン&ノンシリコンシャンプーの違い
両者の一番の違いは、ズバリ仕上がりです。こちらから、それぞれの洗い上がりイメージを確認しておきましょう。
シリコンシャンプーはしっとり柔らか
まずシリコン入りのシャンプーは、シリコンで髪表面がコーティングされることにより、毛髪一本一本がしっとりと柔らかな仕上がりになります。そのツヤをキープするためにも、毎日のアウトバスケアをしっかり並行して行うのが大切です。
また、シャンプーによっては広がりやすい髪を落ち着けたりまとまりやすくする効果も期待できますよ。絡まりや摩擦から髪を守れるため、スムーズな指通りが叶うのも魅力です。
ノンシリコンシャンプーはサラッと軽やか
ノンシリコンシャンプーは、キューティクルをコーティングするシリコンが含まれていない分、サラッと軽やかな仕上がりになるのが特徴。髪はもちろん頭皮もさっぱりとした洗い上がりになるため、素肌感がUPしてしなやかでヘルシーな質感を目指すことができます。
髪の根元やトップがフワッと立ち上がりやすくなるのも嬉しいポイントです◎
ただし、最近のシャンプーではアミノ酸系のシャンプーが増えてきたことでノンシリコンでもしっとり柔らかな使用感のものも多くあります。
シリコン配合の有無はあくまで使用感の目安として考えて、実際に使ってみて自分に合う合わないは判断しましょう。
シリコンシャンプーが向いている人
以上のような特徴から、シリコンシャンプーは次のような人におすすめです。
- 髪質が太くボリュームがある人
- カラーやパーマで髪が傷んでいる人
- 毛先の広がりやパサつきを落ち着かせたい人
- 年齢や季節の変化によりキューティクルの乱れが気になる人
シリコンで髪がコーティングされると聞くと、「美容成分の浸透を妨げてしまうのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし実際には、シリコン系成分が髪や地肌に悪影響を及ぼすという報告はないので安心して下さい。
髪の傷みが気になる人はもちろん、髪のきしみが苦手な人も引き続きシリコンシャンプーを使ってくださいね。
ノンシリコンシャンプーが向いている人
続いて、ノンシリコンシャンプーは次のような人におすすめです。
- 髪質が細くボリューム感がない人
- 根元やトップにふんわり感が欲しい人
- 髪の傷みやパサつきがあまり気にならない人
- さっぱりとした洗い上がりが好みの人
シリコンシャンプーを使うと「髪が軋む」という声がちらほら聞かれます。そんな時は、次に使用するコンディショナーを保湿効果が高いものにしたり、アウトバスケアに力を入れたりなどの工夫を取り入れましょう。
そのほか、シャンプーはしっかり泡だててから使うことで、髪への摩擦を減らせますよ。
自分の髪に合うシャンプーを探そう
世間的に’’悪者’’というイメージを持たれているシリコンですが、実際はそのようなことはなく、髪質によってはしっかりと多くのメリットを与えてくれる成分です。
とはいえシリコンシャンプーとノンシリコンシャンプーは、それぞれ仕上がりが大きく異なります。シャンプー難民の方はぜひ本記事を参考に、自分の好みや髪質に合わせてお気に入りのアイテムを見つけてくださいね。